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色々・・・その2

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「君は日本に生まれて良かったね。
日本以外の国だったら
君は手遅れだったかもしれない」







この言葉は最初に腎小児科に行った時に服部先生に言われた言葉だ。
日本は、幼稚園や小学校で毎年尿検査が行われている。
だから、症状が出る前に腎炎の子供たちを見つける事が出来るのだ。
ようするに腎臓は、症状が何もなくても密かに病気は進行し
症状が出てから、医者を訪ねても透析か腎移植かという「手遅れ」の状態なのだ。
息子の場合、その「手遅れ」だけは免れたという意味だったんだと思う。

血が止まりにくいから腎生検が出来ないと病院から帰されて
何日か過ぎてから病院から連絡があった。
「息子さんの血が固まりにくい症状の中で膠原病の因子がありましたが
検査の結果、それは大丈夫でした。
腎生検は血が固まりにくい方の治療をしてからになります。
息子さんの場合、早急に腎生検をして治療をしなくてはいけないほどでは
まだありませんので、また病院にいらして下さい。予約をしておきます」
ということだった。
膠原病への不安は取りあえず消えたものの
状況はあまり変わっていない。

6月8日、また検査に行った。
その日、私は寝不足で具合が悪かったけどそうは言っていられない。
案の定、病院に行く途中の電車の中で急に気分が悪くなってきた。
新宿で降りてタクシーに乗り込んで病院に着いた時、
もう立っていられないくらい気持ち悪いw
病院がぐにゃ〜って曲がって見える。
受付で「すみません、この子の検診で来たんですけど私が気分悪くなって・・・」
そこまで言うといっぺんに血の気が引いた。
その後、私は車いすに乗せられて処置室のような所に運ばれて
ベッドに寝かされ点滴を打つはめに。
息子が横で心配そうに見ている(;ー;)
看護士の方にお願いしてパパに連絡して頂き、急いで病院に来てもらうように頼んだ。
暫くしてパパが病院に着いた。
パパの顔を見たら安心したのか少し気分も良くなった。
私が治療受けている所の看護士さんが
付き添いの私が具合が悪くなったことを腎小児科の服部先生に連絡した所
わざわざここまで来て下さって、私の横で息子を診察して下さった。
先日の血が固まりにくい原因の説明をあれこれ受けて
(この時点でも、原因が確定されていなかった)
採血と検尿を済ませ、その日は家に帰った。

6月15日、病院から連絡があった。
先日の尿検査の所見では、蛋白尿が(-)血尿(2+)で
赤血球円柱(血の固まり)は(-)で数値が良くなっているので
早急に腎生検をしなければいけないという事は今の段階ではありません。
長期の入院も必要ありませんので暫く様子をみましょう。」
身体の中の力が足下から抜けていくような感じだった。
だってついこの間まで、尿検査の所見で蛋白尿も血尿も血の固まりもあったのに
息子の身体の中で何が起きたんだろう???

前と違っていたのは、とにかく減塩生活だったこと。
学校の体育は全て見学で、普段も走っては駄目!と止めていたこと。
高蛋白のものは食べさせずに、鶏肉、白身魚がメインの食生活だったこと。
学校の行き帰り、重たいランドセルは私やパパが持って付き添ったこと。
パパのお母さんから身体にいいお水を頂いてそれを飲ませていたこと。
ジュースやスポーツ飲料を飲まさずにダッタンそば茶を飲ませたこと。
おやつもナトリウムに気を付けて与えていたこと。
あれこれ思い浮かぶけど、それでそんなに変わったのだろうか。
でも、何にせよ最悪の事態からは逃れられた。
でも腎炎は安定していても急に進行する場合もある。
定期的に尿検査をして、症状を把握しておかなくてはならない。
2週間に1度、必ず検査に行くのだ。

6月19日、検査のため病院へ。
血尿(1+)とともにまた蛋白尿(1+)が出ていた。
赤血球円柱も(1/50LF)と出ているw
先生から「蛋白尿や血の固まりが出ている以上、
やっぱり腎生検をして詳しく調べた方がいいでしょう。
夏休みに入ったら、検査入院するようにしましょうか。」
また、胸が痛くなった。
息子の顔も暗くなった。
でも、前向きに治療していかなくてはいけないのだから
落ち込んでいても仕方ない。
血が固まりにくい原因も色々調べた結果、免疫の問題だと判明。
でも、血が固まりにくい原因の中のたくさんある項目の2つほどが
数値がよくないだけで、あとはクリアしているので
細心の注意を払って腎生検をするようだ。
「分かりました」と言ってその日は帰った。

7月3日。
重い気分をひきずりながら息子の早朝尿を持って
私一人で病院へ行った。
検査の結果・・・。何と蛋白尿(-)血尿(1+)赤血球円柱はなし。
今までで一番いい検査結果だった。
服部先生も、「良くなったり悪くなったりを繰り返しながら
息子さんの場合は少しづつ良くなってきていますね。」と嬉しい言葉。
「先生、息子は治りますか?」
この「治りますか?」という言葉を初めて先生に言った。
今までは怖くて聞けなかったのだ。
慢性腎炎は一生付き合わなくてはならない病気だと聞いていたし。
「腎炎は肺炎などと違って何ヶ月で治るっていう病気じゃありません。
息子さんの場合、極めて軽い腎炎なので
長い時間、2年か3年かかるとは思いますけど、治ります。」
この「治ります」の言葉がどんなに欲しかったか・・・・。

3ヶ月ぶりに気分が晴れた。
by playmoon | 2007-07-19 23:44 | Nephritis
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